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Blog Archive : 2013年7月

おつらいのがお好き。

少し前にやっていたお仕事が、かたちになって世に出ました。うれしい。

それは初めてやる大きな仕事で、
書いても書いても終わらず、
朝まで書いて2時間寝て、起きて8時間くらい書いて2時間寝て、また朝まで……
というような生活を送っていた。

原稿が6〜7割終わったあたり。夕方寝落ちていたら、夢をみた。
修学旅行のようにみんなで旅館に泊まっていて、
一つの部屋に輪になって座っていると
クラムボンの原田郁子さんみたいな人が来て、歌を歌ってくれる。
私はそれを聞いて夢のなかで泣いてしまう。
そうしたら、なぜかそこにいたお姉ちゃんが「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と
私の頭を撫でてくれるのだった。

そこで、若干しゃくりあげながら目が覚めた。
あぁ、いま自分はつらいんだなあ、と他人ごとのように思った。
なんとわかりやすい夢。しかもそこでなぐさめてくれるのが姉とは。
色気のなさにしんみりする。
6〜7割まできたとはいえ、まだ先は長いし、しかもこれでいいのかもわからない。
初めての仕事のやり方は、誰も教えてくれない。
壁にぶつかりながら、先があることを信じて、そろそろ歩くしかない。

気を取り直して、すぐ原稿の続きを書こうとしたけれど、
夢のなかのメロディーが頭のなかで鳴るたびに、涙が出てしまう。
しかも、だんだんしゃくりあげがひどくなってきた。
とりあえずなにか飲んだほうがいい、と思い
お茶を淹れ、飴をなめて、深呼吸をした。

はー。原稿書きすぎて夢で泣くとか、うける。
それをひとりで何とかしようとしているのも、うける。
このつらさも含めて私の仕事だ、と思った。
そこには「なんでここまでして」みたいな後悔はなくて、
泣いてるくせに、「こうでなくっちゃ」という妙に前向きな気持ちだった。
最初だしな。徐々に筋肉をつけて、鍛えていかないと。
そして、最初はあれくらいの負荷でまいっていたなんて、と
マッチョになった私が懐かしく思い出すようになるのだろうな。

2013.7.19

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