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「このPC、女子力低いね」

フリーランスになって、PCを持ち歩く機会が増え

いままで直面しなかった問題にぶち当たった。

 

打ち合わせ先のカフェで、シェアオフィスで、

MacBookAir以外のPCを広げることがこんなにためらわれるとは!

そういう場所にMacじゃない人なんてほぼいない。

Windowsのシェアは90%以上のはずなのに、

ノマドが集まるところではそれが逆転している。

 

なになに、みんなおしゃれぶってるの?! と

無用な反感を抱いたこともあったけれど、

購入して、その理由がわかった。

 

薄くて軽くて便利だからだ。(うわあ当たり前)

最適化したら、ここに行き着くんだなと

すとんと納得してしまった。

 

ひとつすごいと思ったのは

トラックパッド(マウスの代わりをするタッチパネル)が

ぜんぜん入力の邪魔をしないこと。

これまで使っていた某国内メーカーのノートPCは

キーを打っているときトラックパッド的なところに手が当たると

勝手に反応していちいち文字入力が中断されていた。

よく考えたら変なデザインだ。

でも、使っているときは「そんなものか」と思っていた。

そういう、ほかのノートPCでなんとなく見過ごされてきた不便を

アイデアとこだわりですみずみまで解消してあるのが

MacBookAir。

 

それでも

「まあ使えるし、わざわざもう1台買わなくても……」

と購入をためらっていた私に、とどめをさしたできごとがあった。

仕事でちょくちょくお邪魔している会社のIさんにいわれたこのひとこと。

「うわ、このPC、女子力低いね!」

ああ、もっさりしててダサい、重い、使いづらい……

以前使っていたPCにまつわるイケてない感じを

ものの見事に言い表されてしまった。

 

フリーランスは会社のブランドがないだけに

自分にまつわるもので、仕事の方向性やセンスを表現する必要がある、と思う。

ただただ、安い(オフィスも入って50,000円だった)ゆえに買ったPCを

使い続けていると、それが自分のイメージになってしまう。

使っているものも私の一部。

そういうわけで、購入に踏み切った。

11インチの128GB、128,000円。

いまのところまったく後悔していない。

2012.2.16

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目をつぶって走ろう。

dokuritsu_oshirase

 

1月末で広告制作会社を退職し、フリーランスのライター・編集者になった。

書籍の編集ライターを目指す、と決めたのがフリーランスになった理由だ。

どうしてそう考えるようになったのかは、後日書くとして、

フリーランスになった、というと「勇気があるね」といわれることがよくある。

 

いやいや、私は勇敢ではない。どちらかというとビビりだ。

転職活動をした末に

書籍の編集もライティングも経験するにはフリーランスになるしかない

という結論にいたったときも、

こわくてこわくて、歩きながら泣いた。

でも、やりたい仕事に舵を切るにはこのタイミングだ、

という衝動に引っ張られて、気がついたら辞表を出していた。

 

どん、と背中を押されて

目をつぶったまま走りだしたようなものだ。

目指す方向だけを決め、不安に足がすくまないよう、ひたすら。

走り始めて気がついたのは、

仕事のあてもなくフリーになるなんて無謀なことをすると

手を差し伸べてくれる人がたくさん現れる、ということ。

 

このサイトをつくってくれた北田荘平くんもそのひとり。

彼は中村勇吾さん率いるtha ltd.で修行した後、26歳で会社を立ち上げ

現在はau「INFOBAR」OLYMPUS「PEN」などのサイト制作を一任されている。

緻密な技術とデザインセンスを併せもつ稀有なWebデザイナー/エンジニアだ。

 

冒頭の画像はお世話になった方に送る「独立のお知らせ」カードで

これまたすてきな方がデザインを引き受けてくれた。

NHK Eテレ「デザインあ」の人気コーナー「解散!」や、

離島経済新聞の紙版「季刊リトケイ」のアートディレクションを担当している岡崎智弘さん

呼吸するようにアイデアを出す、天才肌のデザイナーだ。

 

2人ともフリーになることを相談したら、快く協力してくれた。心から感謝しています。

 

ほかにも、たくさんの方々に支えられて、

フリーランスとしての生活が少しずつ動き出した。

本のお仕事をいくつかと、Webや雑誌のインタビュー記事など

どれももったいないくらい、おもしろいお話ばかりいただいている。

手がけた仕事は、少しずつここで発表していく予定だ。

これからは、会社ではなく、私の名前で仕事をしていく。

それはとてもシンプルで、きびしくて、最高に清々しいことだと思う。

2012.2.6

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