ワイキューブ元社長安田佳生さんの
『私、社長ではなくなりました。 』を読んだ
私、社長ではなくなりました。 ― ワイキューブとの7435日
自分が新卒で入社した会社の
壮絶なキャッシュ・フロー経営の内幕が明かされていた。
あわわわわ。
利益が出ていないのに、借り入れたお金をブランディングと採用にどんどん使う。
そう、『一億円かけて十人しか採用できなかった年もある』とは
私の代のことですね。
そして、ワークシェアという名の自宅待機をきっかけに辞めた社員です。はい。
全体を通して、
無茶な施策をうって、失敗するという展開の繰り返しなのだけれど
文章のうまさと安田さんの絶妙にねじれた発想がおもしろくて
するすると最後まで読める。
そして、あとがきでほろりとした。
つらいことも多かったけど、正直言って楽しかったという安田さんの告白。
− 大好きな人たちに囲まれながら、大好きなオフィスで仕事をする。
これ以上の幸せがあるだろうか −
私も本当にそうだった。
豪華なオフィスは、無駄じゃなかったよ、安田さん。
あの場所でみんなと働くのはとてもすてきなことで、毎日会社に行くのが楽しかった。
社会人、そして仕事は楽しいものなんだと、新卒の会社が教えてくれてよかった。
そんなワイキューブの事業を継いだ
カケハシ スカイソリューションズではいま、
ミートボウル(meet bowl)というおもしろい採用方法を提案している。
得意なことで勝負する。新しい就活スタイルを提案するサイト。
雀鬼採用、ご指名No.1採用、強豪チームの万年補欠採用、など
エッジのきいた応募条件で、これまでの採用ではこぼれてしまう才能に光をあてる試みだ。
安田さんはもう社長じゃないけれど、
ユニークなマインドは脈々と受け継がれている。
やっぱりここは「特別な会社」なんだと、私は思う。